多摩川を挟んでお隣さんでも全く異なる東京23区と川崎市の火葬

のぼりとの杜コラム

今回は東京23区の主要火葬場と川崎市の火葬場の違いについてのお話しです。
多摩川を挟んで東京都と川崎に分かれるのはご存知の通りです。(ここでは敢えて東京都と川崎としています)

東京23区内の主要火葬場は東京博善という会社が運営している民営の火葬場であり、東京23区内に6か所あります。23区の方の7~8割の火葬を行っています。
桐ケ谷斎場・代々幡斎場・町屋斎場・四ツ木斎場・堀ノ内斎場・落合斎場です。
文中では「東京博善」と表現させていただきます。

川崎市内の火葬場は公営です。かわさき北部・南部斎苑の火葬場を川崎市民であればほとんどの方が利用するのではないでしょうか。文中では「川崎」と表現します。
多摩川を挟んでお隣さんではありますが、火葬場には大きな違いがあります。

【火葬費用】
東京博善:7歳以上 75,000円(最上等)、107,500円(特別室)、145,000円(特別賓館)、280,000円(貴賓館)
川崎:12歳以上 6,750円(市内住民登録者)

【火葬待合室(休憩室)】
東京博善:6,600円~88,000円
川崎:3,000円~

【骨壺容器】
東京博善:原則、持ち込み不可。火葬場で購入。
川崎:持ち込み可

【式場利用】※部屋の大きさによって違う
東京博善:110,000円~
川崎:11,250円~(市内住民登録者)

【火葬時間】
東京博善:約40分
川崎:約70~90分

【収骨室】
東京博善:使用火葬炉によっては個室
川崎:個室で収骨

【飲食持ち込み】
東京博善:原則、不可
川崎:可(ゴミ等は持ち帰り)

細かい点の説明は今回は割愛しますが、同じ火葬でも随分と違いがあるものです。
火葬費用は東京博善では火葬炉によっても金額が違うことが特徴でしょうか。その他の違いも是非、比較して確認してみてください。

葬儀の業務上で最も大きく異なる点に火葬の待合時間があります。上記での比較の通り、火葬の待合時間は大きく違います。
川崎の場合はこの火葬中に会食や精進落としの席を設けることができ、実際にも多くの方がこの形を利用します。お寺様の式次第にもよりますが、初七日法要を式中に終えられると、この火葬待合の時間を利用して会食の席という流れが多くなります。直葬や火葬式の場合にも、この待合時間に故人を偲びながら会食するケースは多いです。待合は長いと90分ほどにもなりますからね。
対して、東京博善の火葬待合は約40分ほど。会食の席を設けるには何とも難しい待合の時間です。事実、火葬待合中の会食はできないルールにもなっています。(軽食程度はOK)

東京の火葬場も川崎の火葬場も業務で多く訪れます。使用要項や流れが異なるのでその都度、火葬場をチェックして業務にあたっています。(忙しくなると混乱することも…汗)
東京博善や川崎だけでなく、火葬場ごとに違うのが使用や流れのルールです。社内には火葬場リストが揃っており、業務で行く火葬場を日頃からチェックしています。

火葬料金の支払い方法ひとつとっても違うので実は覚えるのはひと苦労ですが、スムーズに火葬案内ができるよう、頭の中に叩きこんで覚えます。これも大切な葬儀社のお仕事のひとつということをご紹介して今回のコラムのシメとしたいと思います。

追記
社内には頭の中に全て入っている「式場マスタ―」や「火葬場マスター」がいます(;・∀・)